【オーストラリアの世界遺産】オーストラリア囚人遺跡群

 
2010年7月末にブラジリアで開催された第34回世界遺産委員会議会において、2010年度の世界遺産が決定し、オーストラリアに18番目の世界遺産が誕生しました!

18番目、というと1ヶ所のように思えますが、今回登録されたのは、全部で11ヶ所。18~19世紀にかけて囚人によって造られた、オーストラリア各地に残る11の植民地時代の建物や道路等です。登録名及び選定基準は以下の通り。

 

オーストラリア囚人遺跡群 Australian Convict Sites

登録カテゴリー:文化遺産 (iv)(vi)

(iv):人類の歴史の重要な段階を物語る建築様式、あるいは建築的または技術的な集合体または景観に関する優れた見本であること。
(vi):顕著で普遍的な価値をもつ出来事、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または明白な関連があること(ただし、この基準は他の基準とあわせて用いられることが望ましい)。

18~19世紀にかけて囚人達によって造られた11の史跡が、まとめて世界文化遺産に登録されました。

世界遺産に登録された11のサイト

  1. 旧総督官邸とドメイン Old Government House and Domain  (パラマタ・シドニー郊外:NSW州)
  2. ハイドパークバラックス Hyde Park Barracks (シドニー:NSW州)
  3. コッカトゥー島の囚人収容所 Cockatoo Island Convict Site (シドニー:NSW州)
  4. オールドグレートノース道 Old Great North Road  (ワイズマンフェリー近く:NSW州)
  5. キングストン及びアーサーズベール歴史地区 Kingston and Arthur’s Vale Historic Area (ノーフォーク島)
  6. ポートアーサー歴史地区 Port Arthur Historic Site (タスマニア南部の半島:TAS州)
  7. カスケード女工館(工場) Cascades Female Factory (ホバート・タスマニア:TAS州)
  8. ダーリントン保護観察所 Darlington Probation Station (マリア島:TAS州)
  9. 炭鉱歴史地区 Coal Mines Historic Site (ポートアーサー近郊:TAS州)
  10. ブリッケンドン、ウールマーズの邸宅 Brickendon-Woolmers Estates (ロングフォード近郊:TAS州)
  11. フリーマントル刑務所 Fremantle Prison (フリーマントル:WA州)

※10のブリッケンドンとウールマーズの邸宅は同じ場所ではなく、少し離れた場所(車で5分程度)の2つの邸宅。

西洋人入植の歴史とも言える植民地時代のこれらの史跡は、先住民から奪った土地の上に、本国イギリスから送られた流刑囚達の血の滲むような肉体労働によって造られたものばかり。

後世へと伝えるべき遺産であることに間違いはありませんが、どちらかというと「誇るべき遺産」ではなく、二度と繰り返さないという反省の意味を込めた「負の遺産」と言えそうな気がします…。

オーストラリアの世界遺産 一覧

注意)記載の情報/データは2010年8月時点のものです。

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この記事を書いた人
Miki Hirano平野 美紀 icon-link icon-twitter icon-facebook icon-google-plus
人工物よりも自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報を発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。
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