Day 6 ワイン産地の激うまドーナツと人口50人のさびれた鉄道の町 -シドニー~ダーウィン21日間 7千キロ

 
2015年5月27日から21日間かけて、キャンピングカーで陸路を辿り、冬到来のシドニーから熱帯のダーウィンを目指すオーストラリア縦断の旅!
シドニー~ダーウィンーストラリア縦断の旅 アーカイブ

 

第6日目: 6月1日 アデレード郊外から人口50人のさびれた鉄道の町・ピンバまで

◎本日の走行距離=547km

目が覚めると、明方まで降っていた雨は止んでいた。まだ雲は厚く垂れこめているけれど、それでもときおり雲間から太陽が覗き、暖かい光がキャンパーの中に差し込んでくる。こんな時こそ、「太陽ってありがたい!」とお天道様に感謝してしまう瞬間。気温はおそらく10℃以下だろう。この旅を始めてから初日に泊まったヤス郊外以来の寒さだ。寒くて布団から出るのが億劫で、ついつい小型電気ヒーターの誘惑に…(^_^;

アデレード郊外のタバーンがやっているキャンプ・グラウンド。やたら広い!アデレード郊外のタバーンがやっているキャンプ・グラウンド。やたら広い!

昨夜食べ損ねたタバーン(食堂)昨夜食べ損ねたタバーン(食堂)

朝食を食べてすぐに出発!少し走るとそこはもうオーストラリア最大級のワイン産地「バロッサ・バレー」だ。小さなかわいいブティック・ワイナリーを横目で見ながら、立ち寄りたい気持ちをぐっと押さえて通過。ワイナリーのセラードア(試飲もできる直売所)はほとんど、週末しかやっていない… ああ、一日違っていたら、、残念!道を挟んだ反対側の草地では、ガラー(モモイロインコ)とコレラ(テンジクバタン)が朝ごはんを食べるのに夢中だ。


30分程走って、バロッサバレーの中心ともいえる鉄道の駅がある町 タヌンダに到着。この町に、オーストラリアで最も古く、一度も火を消さずに営業を続けている薪オーブンのパン屋さん「エイベックス・ベーカリー」がある。創業は1924年、なんと91年間も薪をくべてパンを焼き続けているということになる。ここのパンは、じっくりと発酵させた酵母菌を使った風味豊かな味わいで、知る人ぞ知る店なのだ。

時間はまだ早いのに、既にかなりのパンが売れてしまったようで、がらんと空いた棚も目立つ。ショーケースを覗きながら、明日の朝食用にねじりパン(三つ編みのようにねじってあるパン)とラズベリーのデーニッシュを、そして、今食べるためにチョコ掛けドーナツの小さいほうを2つ購入。早速、車に戻って、ドーナツをパクリ。

薪オーブンのパン屋さんとしては、オーストラリア国内最古級のエイベックス・ベーカリー薪オーブンのパン屋さんとしては、オーストラリア国内最古級のエイベックス・ベーカリー

ショーケースに並ぶ菓子パンたちショーケースに並ぶ菓子パンたち

ん?!んん?!?!こ、これは・・んっまい!

生地がもっちりとしていて、チョコレートの甘さを考慮したほんのりとした生地の甘さ加減が絶妙だ。しかも、噛めば噛むほど味わい深く、小麦粉本来のいい香りが口の中から鼻へと抜ける。これは、うまい!これまで食べたドーナツの常識を覆すほど!!

瞬く間に一個ずつ平らげてしまい、もっと食べたくなってしまった。これはもう一度買いに行くしかない!というわけで、店を出て5分とたたないうちに、再び店内へ。店のおばさんは「なんでまた来たのだろう?」といった感じのいぶかしげな顔でこちらを見る。

「またドーナツを買いに来ました!」というと、顔を緩ませ、「みんな、チョコ・ドーナツ好きなのよね」とニコっと笑った。どうやらチョコ・ドーナツは、この店の隠れた人気商品らしい。そして、今度は大きいほうを2つほど購入。

もちもち感がたまらない!ほんのりとした甘さの絶品手作りドーナツもちもち感がたまらない!ほんのりとした甘さの絶品手作りドーナツ

二度目に買ったドーナツは後でのおたしみにとっておくこととし、再びキャンパーに乗り込んで出発。ブドウ畑が続く一帯をしばらく走っていると、青空が顔を出した。ここで、走りながらツイキャスを配信。電波がどうも安定しないのは、走りながらのせいなのかもなぁと思ったけど、やっぱりこの辺りに民家がないためだろう…

バロッサバレーを過ぎると、ブドウ畑から一大農業地帯へと変わっていく。途中には、巨大なウインドファーム(風力発電所)があり、長く続く丘の頂上に十キロ以上に渡って風車が並ぶ。そういえば、アデレードでは、100%再生可能エネルギー燃料のバスも走っている。意外やエコ意識の高い町なのだ。

バロッサバレーの中心にあるお洒落なワイナリーバロッサバレーの中心にあるお洒落なワイナリー

もう少しでポートオーガスタというところで、シドニーを出てから5日ぶりに海が見えてきた!


午後4時ちょっと前、ポートオーガスタに到着。ここでこれから数日間、いや1週間分くらいの食料を買いだししなければならない。この街から先は、本格的なアウトバック。人口が少ないから、まともなスーパーは無いに等しいのだ。ポートオーガスタなら、オーストラリアのメジャー・スーパーマーケットの「Coles」も「Woolworths」も、かろうじてある(規模はさておき)。

手短に買い物を済ませ、本日の目的地であるピンバへと急ごう。まだ残り173 kmもある。その前に、ガソリンも満タンしておかなくちゃね。というわけで、ポートオーガスタの街外れのガソリンスタンドで給油していると、日が傾いてきた。もうすぐ日没。急がなくては!

とその時、行く手に目を見張るような光景が!

目の前には、水辺の向こうに頂上が平らになったフラット・トップ・マウンテンが、雲間から差す夕陽を浴びて神々しい姿をみせていた!思わずキャンパーを止めると、そこはちょうど展望所になっていて、反対側には、遠くフリンダース・レンジ(フリンダース山脈)の山々が見える。なんとも素晴らしい景色!!

本当は、太陽が山の近くに沈むまで見ていたいところだけけれど、まだこの先が長いので途中であきらめて、キャンパーに乗り込む。 (´・ω・`)ショボーン


辺りが薄暗くなり始めた頃、ようやく本日の目的地であるピンバに到着。無事着いてよかった~\(^o^)/

ピンバという町はこのロードハウスだけしかないといっても過言ではないピンバという町はこのロードハウスだけしかないといっても過言ではない

ピンバは、豪華寝台列車のザ・ガン号が通過する町として知られているけれど、人口約50人の小さな町。オーストラリア政府観光局のサイトでは「小さなさびれた鉄道の町」などと書かれている。(コラ、失礼な!w)まあたしかに、町といってもそれらしきものがあるわけではなく、基本的にはロードハウスと呼ばれるガソリンスタンド兼食堂兼商店兼長距離トラックの休憩所みたいな商業施設が一軒あるだけだからな…(;´д`)

宿泊はタダだけど、シャワーだけ有料(A$4)宿泊はタダだけど、シャワーだけ有料(A$4)

シャワーは2ドルコインを2枚入れると暑いお湯が出る仕組みシャワーは1ドルコインを2枚入れると暑いお湯が出る仕組み

そのロードハウスへとキャンパーを滑り込ませると、既にたくさんのキャンパーやキャラバンが停車していてびっくり!

既にグレイ・ノマドと呼ばれる地元キャンパー族がずらり!
日没以降にこの先へと車を走らせるのはたしかに危険だし、何よりここのロードハウスは一晩泊まるだけなら無料なのだ。2豪ドル~で熱いお湯がたっぷり出るシャワーもある。だから長期間旅しているグレイ・ノマドと呼ばれる地元キャンパー族の間ではよく知られた停泊地でもある。今晩は、キャンピング旅行の大先輩たちに混じって夜を明かすこととしよう。あ、その前に晩ごはん食べなきゃ!(笑)

(余談)シャワーは個室になっていて鍵がかけられる上、きちんと清掃されてて快適だった!スパッズ・ロードハウス、ありがとう!!

7日目へ続く

◎第6日目:アデレード郊外からピンバまで、547km走破。今日までの積算距離:2,283km
<ツイートまとめ> オーストラリア縦断7,000キロ!シドニー~ダーウィン21日間ライブ(6日目)
 

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この記事を書いた人
Miki Hirano平野 美紀 icon-link icon-twitter icon-facebook icon-google-plus
人工物よりも自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報を発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。
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ウェーブ・プランニング:  1998年からオーストラリア情報を発信し続け、取材先件数は5,000ヶ所以上。オーストラリアに関する取材や撮影などのメディア・コーディネート、取材代行などをしています。本拠地はシドニー。 ★メディア・コーディネート、取材代行、執筆・撮影依頼等、承ります。こちらまでお気軽にお問い合わせください。