「はやぶさ2」が帰還するウーメラってどんなとこ?

「はやぶさ2」が地球に帰ってくる!

小惑星探査機「はやぶさ2」を宇宙へ、小惑星「リュウグウ」の砂を採取、その砂の入ったカプセルを地球へ帰還させる、宇宙航空研究開発機構 (JAXA)の「はやぶさ2プロジェクト」。

2010年6月、「世界で初めて小惑星からその表面物質を持ち帰る」というミッションを無事遂行し、地球に帰還した初代「はやぶさ」に続き、今回の「はやぶさ2」もオーストラリアのウーメラを目指して帰ってきます。

「はやぶさ2」が帰ってくるウーメラという場所がどんな場所なのか、これを読んで想像しながら JAXA はやぶさ2 地球帰還ライブ中継を見れば、200倍楽しめるはず!?

ライブ中継、パブリックビューイング、イベント情報もあります♪

はやぶさ2  地球帰還スケジュール

地球帰還予定日時:2020年12月6日

カプセルが大気圏に突入し、火球となって見えるのは3:58~3:59頃(オーストラリア現地時間)の予定とのことですので、日本時間の2:28~2:29頃。「はやぶさ2」の主なミッション・スケジュールは以下の通り。

「はやぶさ2」の主なミッション・スケジュールは以下の通り。

  • 打ち上げ:2014年12月3日
  • 小惑星リュウグウ到着:2018年6月27日
  • 小惑星リュウグウ出発:2019年末
  • 地球帰還:2020年12月6日予定

ウーメラは、立ち入り禁止地区?

前回の「はやぶさ」に続き、今回もオーストラリア内陸部のウーメラに帰還しますが、ウーメラとはどんな場所なのでしょうか?

ウーメラは、南オーストラリア州の州都アデレードから約450km北北西に位置する砂漠地帯。

南オーストラリア州の約8分の1に当たる広大なエリアで、「Woomera Prohibited Areaウーメラ立ち入り禁止地区」に指定されています。

Woomera Prohibited Areaウーメラ立ち入り禁止地区マップ:オーストラリア防衛省
Woomera Prohibited Areaウーメラ立ち入り禁止地区マップ:オーストラリア防衛省

なぜ立ち入り禁止なのか?

それは、このエリアは軍事機密地区として、軍による機密訓練や演習、実験を行う場所として軍の管理下となっているから。

そのため、「ウーメラ立ち入り禁止地区」域内を通過するスチュアート・ハイウェイ上には、「制限区域:道路からはずれるな」という警告版が設置されています。

「制限区域:道路からはずれるな」の警告版 Photo by Kr.afol(2007) Wikipedia
「制限区域:道路からはずれるな」の警告版 Photo by Kr.afol(2007) Wikipedia

演習が行われる際や「はやぶさ」のような物体を落下させる際などには、スチュアート・ハイウェイが閉鎖されることもあるので、ここを通過する際は、予め通過可能か否かの確認したほうが無難。

今回も「はやぶさ2」の帰還予定の前日である12 月 5 日には、現地時間の22時以降、スチュアート・ハイウェイが通行止めとなる予定です。

また、「ウーメラ立ち入り禁止地区」は、先住民族の土地でもあるため、軍機関連以外でこのエリアを訪問する際は、先住民居住区からの許可が必要となっています。

ウーメラ付近を通過するスチュアート・ハイウェイ
ウーメラ付近を通過するスチュアート・ハイウェイ

注意)スチュアート・ハイウェイは、“ハイウェイ”という名称になっていますが、日本人が想像する米国のハイウェイのようなものとは全く別もので、高速道路ではありません。オーストラリア大陸を縦断する単なる1本道の舗装された幹線道路。

唯一の村、ウーメラ・ビレッジ

ウーメラ・ビレッジ 
Photo by Diceman at English Wikipedia (2005)

エリア一帯は、立ち入り禁止地区ではありますが、ウーメラの各種施設での業務に携わる人たちのために造られた、ウーメラ・ビレッジと呼ばれる小さな町(村)があります。

主に施設で働く人たちの住所と小さなスーパー、訪問者のための宿泊施設などがあり、2016年度の国勢調査では、人口146人。

果てしなく続く荒野

果てしなく続くウーメラ付近の荒野
果てしなく続くウーメラ付近の荒野

他には・・・周囲には、本当に何もない荒野!

とにかく、何もない荒れ地がどこまでもどこまでも続いているだけ……
近くに町などはありません。

だから、星空が素晴らしい!

ウーメラ・ビレッジに最も近い町は、約180km南へ下がったところにあるポート・オーガスタとなり、「はやぶさ2」を落下させる「ウーメラ立ち入り禁止地区」の北側には、地下都市として知られるオパールの町クーバー・ペディがあります。ちなみに、ウーメラ・ビレッジからクーバー・ペディまでは、375 km。

★クーバー・ペディの様子は以下でご覧いただけます♪
地下都市 クーバー・ペディ

その他には、スチュワート・ハイウェイの分岐点のピンバというところに、ガソリンスタンドを兼ねたロードハウスが1軒と、そこから更にハイウェイを北上したグレンダンボに1軒のロードハウスがあるのみ。

★ピンバとグレンダンボのロードハウスの様子は、こちらの「シドニー~ダーウィン21日間7,000 km 日記」でどうぞ♪
アデレードからピンバまで
ピンバからグレンダンボ経由、クーバー・ペディまで

このように、広大なエリアを軍が管理しているため、道路封鎖も容易ですし、起伏はほとんどなく平坦で見通しがよく、もし、「はやぶさ2」が進路を誤って、若干ズレたとしても民家に落下する危険等もないことが、ウーメラが帰還地として選ばれている一因でもあるそうです。

ウーメラとの分岐点ピンバ付近での夕暮れ
ウーメラとの分岐点ピンバ付近での夕暮れ

はやぶさ2  地球帰還ライブ中継、パブリックビューイング、イベント情報

「はやぶさ2」公式サイトでは、12月4日まではオンライン・トークイベントはやぶさ2地球帰還体験アプリの提供のほか、ミッションに関する詳細が掲載されています。4日からは帰還に向けた会見や5日~6日の帰還当日にはライブ中継も予定されています。

どんな場所に帰ってくるのか、想像しながら、「はやぶさ2」の帰還をお楽しみください!

注意)記載の情報/データは2020年12月3日時点のものです。

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この記事を書いた人
Miki Hirano平野 美紀 icon-link icon-twitter icon-facebook icon-google-plus
人工物よりも自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報を発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。
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ウェーブ・プランニング:  1998年からオーストラリア情報を発信し続け、取材先件数は5,000ヶ所以上。オーストラリアに関する取材や撮影などのメディア・コーディネート、取材代行などをしています。本拠地はシドニー。 ★メディア・コーディネート、取材代行、執筆・撮影依頼等、承ります。こちらまでお気軽にお問い合わせください。