【更新】オーストラリア国内の州間移動規制の現状

更新:2020/11/16 南オーストラリア州でのクラスター発生を受けた各州の規制状況を更新。NTのメルボルンに対する措置変更に言及を追加。(赤字)


新型コロナウイルスの流行で、各州が州境を閉鎖するなど、オーストラリア国内の州間の移動が制限されてきました。

3月に国境を閉鎖して以降、一時的にビクトリア州で感染拡大したものの、オーストラリア国内の感染状況は、現在では全土で新規市中感染ケース「0=無し」となる日がほとんどとなっており、各州の州境も再開されてきています。

ただ、それぞれの州が独自に決めているため、統一された基準がなく、各州の対応がバラバラでわかりにくい…

そこで、各州の州境規制の現状をまとめました。

追記)11月15日に南オーストラリア州アデレード北部の病院に入院した患者が新型コロナ陽性となり、その家族を含む3名が、南オーストラリア州としては4月16日以来、初めての新規感染ケースとして確認されました。翌16日には、感染者が17名に増え、クラスター認定。南オーストラリア州では感染拡大抑制のための規制を再導入。ニューサウスウェールズ州とビクトリア州を除く、他州は再び州境閉鎖措置をとりました。詳細は以下の各州の項目で。

ニューサウスウェールズ州

ニューサウスウェールズ州は新型コロナ感染流行パンデミックの最中でも、州境を閉鎖しないという方針をとってきましたが、ビクトリア州での感染拡大に歯止めがかからないことから7月7日から100年ぶりにビクトリア州との州境を閉鎖。

現在は、ビクトリア州からの入州に対しては海外からの帰国者同様、14日間の強制検疫隔離が必要となっていますが、11月23日午前0:01に、ビクトリア州との州境を再開予定。

<SAのクラスター発生を受けた対応>
特に変更なし。

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クイーンズランド州

クイーンズランド州は新型コロナ感染流行パンデミックにより、すべての州に対し、州境を閉鎖してきましたが、現在は、ビクトリア州とニューサウスウェールズ州のシドニー都市圏に対してのみ、州境を閉鎖しています。

ビクトリア州とニューサウスウェールズ州のシドニー都市圏以外からは入州可能ですが、すべての入州者は事前申請が必要となっています。許可が下りるまでに少なくとも3営業日かかるとのこと。

<SAのクラスター発生を受けた対応>
アデレードをシドニー都市圏同様、感染流行ホットスポットに指定。11/16 11:59pm以降のアデレードからの入州禁止と過去7日以内にアデレードから入州した人は直ちに検査し、14日間の隔離を要請。

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南オーストラリア州

南オーストラリア州は新型コロナ感染流行パンデミックにより、すべての州に対し、州境を閉鎖してきましたが、現在は、ビクトリア州に対してのみ、州境を閉鎖しています。

今のところ、12月1日よりビクトリア州との州境を再開する予定ですが、その他の州も含め、当面は、すべての入州者は到着14日前までに事前申請が必要となっています。

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西オーストラリア州

西オーストラリア州は新型コロナ感染流行パンデミックにより、すべての州に対し、州境を閉鎖し、頑なに州境を再開しない方針を打ち出してきましたが、ここへきてほぼ新規市中感染ケースが無くなったことから、11月14日より、すべての州に対して州境を再開。

しかし、ニューサウスウェールズ州とビクトリア州に関しては、14日間の新規市中感染ケースの平均が5ケース以下であることが条件となる「低リスク地区」に指定されており、また、入州後、適切な場所での14日間の自己隔離と到着後11日目の新型コロナ検査を受ける義務があります。

<SAのクラスター発生を受けた対応>
南オーストラリア州から入州した人は全員検査、14日間の隔離義務。もしくは、引き返すよう勧告。

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タスマニア州

タスマニア州は新型コロナ感染流行パンデミックにより、すべての州に対し、州境を閉鎖してきましたが、10月26日からは、新規感染がほぼ無くなった西オーストラリア州、ノーザンテリトリー、南オーストラリア州、クイーンズランド州、キャンベラ首都特別地域に対して州境を再開。

また、11月6日からはニューサウスウェールズ州に対しても州境を再開しました。現在、州境閉鎖されているのはビクトリア州のみですが、こちらも12月1日より再開予定。ただし、現在もすべての入州者は、到着3日以上前までに事前申請が必要となっています。

<SAのクラスター発生を受けた対応>
11/16より南オーストラリア州からの到着者は、14日間の隔離義務。過去7日以内に南オーストラリア州から入州した人は直ちに自己隔離することを要請。

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ノーザンテリトリー

ノーザンテリトリーは新型コロナ感染流行パンデミックにより、すべての州に対し、州境を閉鎖してきましたが、タスマニア州同様に、まずは西オーストラリア州、南オーストラリア州、タスマニア州、クイーンズランド州との州境を再開し、その後、ニューサウスウェールズ州に対しても州境を再開したのですが、ブリスベン都市圏とシドニー都市圏での新規感染ケース増加が見られたため、一旦、該当地区の住民に対しては再度州境を閉鎖。

しかし、その後、感染拡大が抑制されていると判断され、ブリスベン都市圏が再開、10月9日からはシドニー都市圏も再開されました。また、11月2日からはメルボルン都市圏を除くビクトリア州の地方エリアについても感染拡大が抑制されていると判断され、州境再開されています。現在、州境閉鎖されているのはビクトリア州のメルボルン都市圏のみとなっています。

ただし、現在もすべての入州者は、到着前の7日以内に事前申請が必要となっています。

<SAのクラスター発生を受けた対応>
11/16より南オーストラリア州からの到着者は、政府管理下での14日間の隔離義務。もしくは、引き返すよう勧告。

11月16日の会見で、メルボルン都市圏に関しても11月30日の再開予定に言及。

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キャンベラ首都特別地域

キャンベラは、ニューサウスウェールズ州に囲まれていることもあり、新型コロナ感染流行パンデミックの最中でも、とくに閉鎖しない方針をとってきましたが、ビクトリア州での感染拡大に歯止めがかからないことから、現在もビクトリア州からの入市は認められていません。

しかし、ニューサウスウェールズ州同様、11月23日からビクトリア州も可能になる予定。

<SAのクラスター発生を受けた対応>
特に変更なし。

詳細はこちら

ビクトリア州

ビクトリア州は新型コロナ感染流行拡大に歯止めがかからなかったため、州内全域での厳格なロックダウンを行い、その後、新規市中感染がほぼ収まったメルボルン都市圏を除く地方エリアのみ、厳格なロックダウンを解除。10月28日には目標とする数字が達成できたことから、メルボルン都市圏の厳格なロックダウンも解除され、徐々に通常に戻りつつあります。

このような状況から、ビクトリア州としてはどの州に対しても州境を閉鎖したことはないのですが、他州からビクトリア州に対してとられていた州境閉鎖措置が徐々に解除され、再開されつつある…という状況です。

<SAのクラスター発生を受けた対応>
アデレードを感染流行ホットスポットに指定。南オーストラリア州からメルボルン空港への到着者は、入州前にインタビュー(質疑応答)と必要に応じて簡易検査となる模様。

州境を接している2州との州境規制に関する詳細はこちら

注意)記載の情報/データは2020年11月16日時点のものです。 初稿:2020年11月15日

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この記事を書いた人
Miki Hirano平野 美紀 icon-link icon-twitter icon-facebook icon-google-plus
人工物よりも自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報を発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。
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ウェーブ・プランニング:  1998年からオーストラリア情報を発信し続け、取材先件数は5,000ヶ所以上。オーストラリアに関する取材や撮影などのメディア・コーディネート、取材代行などをしています。本拠地はシドニー。 ★メディア・コーディネート、取材代行、執筆・撮影依頼等、承ります。こちらまでお気軽にお問い合わせください。