先住民アボリジニが守る、知られざる聖地へ(前編) :ケアンズからの小旅行
今ブームのパワースポット、聖地と言われるアメリカ・セドナよりも波動値レベルが高いと、世界中のヒーラー達が密かに注目している場所がオーストラリアにあります。参加者の中には途中で涙を流し、座り込んでしまう人もいるという、強力なパワースポット。
その知られざる聖地を歩くツアーがあると聞き、ケアンズからさらに北を目指しました。(この記事は、そのツアーへ参加した体験記です)
聖地を目指してケアンズからクックタウンへ
地球上最古の大陸のひとつ、オーストラリア。その先端部に程近い町クックタウン郊外にあるというその場所は、先住民族アボリジニの人々が太古の昔より守り続けてきた聖域です。
この地で生まれ育った者以外、足を踏み入れることはもちろん許されていません。そのため、この場所を訪れるためにはこの地を治める長の許可が要り、この場所を司るすべての神々から承諾を得る必要があるのです。
しかし、このように閉ざされた聖域は、この地を守ってきた人々の子孫達でさえ、汲々とした現代社会で生きていかなければならないことから、やがてその意味を忘れ、太古の時代より伝えられてきた神話や逸話は語り継がれることなく途絶えてしまうであろう運命が近づいています。
そうした現状を憂うアボリジニ一族のウィリー・ゴードン氏は、広く一般の人々にもこの場所の持つ重要な意味を考え、後世へと伝えて欲しいという願いから、聖域をめぐるツアーを始めたと言います。
そのツアーに私も参加してみました。
オーストラリア最北部クックタウン郊外にある聖なる森
クイーンズランド州北部、オーストラリア大陸最先端部のケープヨーク(ヨーク岬)半島東岸の町クックタウン。
ここから先は、まさしく未開の地。太古の地球から残された手付かずの自然だけが広がっています。強力なパワーが漲る聖地は、ここからさらに西北に進んだ場所にありました。
早朝、クックタウンを出発。町の中心部を離れ、25分ほどで舗装路は終わり、私達を乗せた車は、小石と砂利が続くダートロードへと進入しました。
アスファルト加工された快適な舗装路が標準の現代において、荒々しい大地を剥き出しにした悪路は、まるで現代文明を否定しているかのようでもあります。
砂煙を巻き上げ、後方がまったく見えない状態のまま、さらに20分ほど進んだところで車は停止しました。目の前に見えてきたのは、道の脇に作られた錆びた小さなゲート、その先には鬱蒼と生い茂る森。見知らぬ侵入者を拒むかのような深い森だけが広がっていました。
パワースポットに到着。いきなり晴天に…
車はその森の奥へと、低速でゆっくりと進みます。砂地にハンドルを取られながら木々の間を抜けると突然視界が開け、巨大な岩がいくつも剥き出しになった、これまでとは明らかに違う風景が広がりました。
ツアーはウィリーの祈りから始まりました。この場所を守り続けてきたアボリジニの部族の長であるウィリー。
彼がこの地の神々から許可を得ると、ツアー参加者はようやく聖域へと足を踏み入れることができるのです。ツアーが始まると、それまでは今にも雨が降り出しそうだった曇り空が、いきなり日差しが痛いほどの晴天に変わっていました。
注意)記載の情報/データは2012年12月時点のものです。
人工物よりも自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報を発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。
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