月への階段 ~西オーストラリア・ブルームで見られる神秘の自然現象

 
神秘的な満月の夜満月の夜に現れる、月への道しるべ―― 

穏やかな海面を這うように現れる光の帯は、そっと月へと導く光の階段。

夜の干潮時、水平線すれすれに月が姿を現す。

そして、まるで昼のように明るく海岸を照らしだすと、海岸に打ち寄せる波の上を伝うように現れる一筋の光の帯。

その光の帯は、海上に浮かんだ月へと続き、あたかも波の上を這う階段のよう……

その現象を人々はこう呼ぶ。 「Staircase to the Moon ―月への階段」

西オーストラリア州北部にある、日本とも馴染みの深い町・ブルームで見られる、ミステリアスな自然現象に迫ります!

 

真珠の町 ブルーム

ブルームは、真珠の養殖で知られる、西オーストラリア州北部にある小さな町。かつては、世界有数の真珠の町として栄え、大きく発展を遂げました。

この町を有名にした真珠は、実は、日本からの移民の功績が大きいと言われています。1880年代、この町で真珠の採取および養殖が始まった頃、多くの日本人が移民し、潜水夫として従事。その技術を伝えました。今もこの地で亡くなられた日本人の方々を埋葬した「日本人墓地」があります。

その後、第二次世界大戦では、日本軍の攻撃を受け、町は一時壊滅状態に…。しかし、戦後、徐々に真珠産業も復活、60年代の鉱業ブームなどで町は活気を取り戻し、今では美しいインド洋の海を望む海辺のリゾートとしても、国内外から注目される町となっています。

 

月への階段、その現象が起こる理由

自然が織りなす神秘的な光景、月への階段「月への階段」が現れる原因は、ハッキリと解明されたわけではありません。

ブルーム近郊の海底の隆起の具合と潮の干満など、自然の要素が複雑に絡み合って、このような神秘的な現象を引き起こすと考えられているそうです。

 

月への階段がみられる場所とおすすめビューポイント

その真珠の町ブルームの町のお中心部からほど近い、ローバック湾に面したタウンビーチ付近が、月への階段が見られる場所。

絶好のビューポイントは、ブルーム市内Carnarvon Streetにある「マングローブ・ホテル」のアウトドア・バー。タウンビーチが一番近いはずなのにどうして?と思うような、ちょっと離れた場所にあるのですが、実はこのホテルは、ローバック湾を一望できる最高のロケーションにあるのです!

 

月への階段が見られるはいつ?

「月への階段」が現れるのは、満月の夜のみ。ということは、満月の夜なら見られるはずなのですが、ブルーム周辺は夏場は雨季に当るため、天候が不安定で月はほとんど見られません。なのでブルームの冬場、つまり日本の夏のシーズンがおすすめ!

ブルーム観光局では、3月から10月が見られる時期としています。中でも、最も天候が安定していて見られる確率が高いのは、5~10月くらいとか。

そして、満月の日とその前後合わせた3日間が、月への階段が見られる日。満月の日とその翌日には、タウンビーチに、お土産に最適なクラフトや食べ物を売る「ステアケース(階段)・マーケット」と呼ばれる夜市が開かれて、お祭りのように賑やかです。

 

 ブルームの観光スポット

ブルームのケーブルビーチで人気のキャメルトレック(ラクダ散策)

この町最大の観光スポットともいえるのが、22キロにも及ぶ砂浜を持つオーストラリア有数の素晴らしいビーチ「ケーブル・ビーチ」。名物にもなっている「キャメル・トレック」で、ラクダに乗って砂浜を散策をするのが人気です。

また、ブルーム近郊の海岸で見つかった1億3000万年前の恐竜の足跡か見られる「ガンシューム・ポイント」も、人気の観光スポット。ガンシューム・ポイント以外にも、30メートルほど沖合に恐竜の足跡が残っていますが、潮の干満などの関係で、一年のうちに見られる日が限られています。

毎年9月には、真珠の町ならではの「真珠まつり Shinju-Matsuri」が開かれ、こちらも国内外から人気。その他、周辺には、先住民アボリジニにまつわる観光ポイントも点在しています。ブルームには、近年、素敵なリゾート・ホテルやリトリートが増えましたので、美しいインド洋を眺めながらのリラックスした休暇にもおすすめです。

ブルームのホテル一覧

 

 ブルームへの行き方

国内線の主要都市発ブルーム行きの直行便は、ダーウィンとパースからでています。オーストラリア国内のその他の主要都市からはダーウィンかパースを経由する便となります。また、陸路で移動する場合は、ダーウィンからグレイハウンド・バスで約24時間、パースからは約33時間の道のりです。

注意)記載の情報/データは2013年9月時点のものです。

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この記事を書いた人
Miki Hirano平野 美紀 icon-link icon-twitter icon-facebook icon-google-plus
人工物よりも自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報を発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。
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