オーストラリアのワインと産地
日本でも身近な存在になりつつあるオーストラリアのワイン。
そのほとんどは、南回帰線より南の地域で作られています。ヨーロッパのワイン・メーカーも視察や修行に来るというワイナリーもたくさんあります。
オーストラリア・ワインの特徴と国内の主な産地をまとめました。
オーストラリアのワイン
ワインの代表的な産地として、着実に地位を築き上げてきたオーストラリア。入植時代にヨーロッパ各地から持ち込んだワイン用のブドウ種が、この国温暖な気候と土壌にマッチし、数々のプレミアムワインを生み出してきました。これも、芳醇な香りと味へのこだわりだけでなく、自然や環境保護にうるさいオーストラリア人が、環境と人間に優しいワインを作り続けてきたからかも知れません。
最古の大陸でもあるオーストラリアは、ワインの生産に向いた豊富な土壌があります。その土壌の種類も粘土質や火山性など、様々。中でも南オーストラリア州のクナワラ地区は、鉄分をたっぷり含んだ赤土=テラロッサで知られています。その豊かな土壌にたっぷりと降り注ぐ太陽──。これはもう、おいしいワインができないはずはありません!
しかもオーストラリアのワインは、お値段が手頃なのも嬉しいところ。世界的なワイン品評会で数々の賞を受賞した素晴らしい出来のワインでも、オーストラリア国内での販売価格は20豪ドル以下だったりするのですから、ちょっと見逃せません!
オーストラリア・ワインを代表するシラーズ
現在では、白、赤、ロゼ、スーパークリングなど、ほとんどの品種のワインが生産されていますが、オーストラリアを代表するものといえば、「シラーズ(シラー)」。フルボディで豊かな香り、フレッシュなタンニンを強く感じる赤ワインです。
フランスのローヌ地方を起源とするシラー種は、1890年代にヨーロッパでフィロキシア寄生虫が蔓延した際、他のブドウ種とともに壊滅的な被害に遭いました。ですが、移民の手によってオーストラリアに移植されていたシラーは被害に遭うこともなく、すくすくと育ち、素晴らしいワインを造る源となりました。現在でもビクトリア州のゴールバーンバレーに、世界最古のシラーの木があります。
また、シラー以外にも白ワインのシャルドネやピノノワールなど、数多くのワインが世界中で高い評価を受けています。
オーストラリアのワイン産地
世界的に有名な産地は、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、南オーストラリア州に集中していますが、西オーストラリア州、タスマニア州にもワイナリーが点在し、近年ではクイーンズランド州やノーザンテリトリーなどでも作られるようになってきました。
ほとんどのワイナリーでは、セラードア(直売所)をオープンしており、テイスティング(試飲)してから購入することができます。
<オーストラリア国内の主なワイン産地マップ>
- ハンターバレー(ニューサウスウェールズ州)
- マッジ(ニューサウスウェールズ州)
- リベリナ(ニューサウスウェールズ州)
- ヤラバレー(ビクトリア州)
- ジロン(ビクトリア州)
- 北東ビクトリア(ビクトリア州)
- クレアバレー(南オーストラリア州)
- バロッサバレー&アデレードヒル(南オーストラリア州)
- クナワラ(南オーストラリア州)
- マーガレットリバー(西オーストラリア州)
- タスマニア(タスマニア州)
注意)記載の情報は2010年7月時点のものです。
人工物よりも自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報を発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。
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