サイクロン・デビーによる観光への影響 グレートバリアリーフやゴールドコーストは大丈夫?
4月3日更新あり:ハミルトン島とヘイマン島の状況、ゴールドコースト近郊の国立公園閉鎖について
3月29日、クイーンズランド州東部に大型サイクロン「デビー」が上陸!
上陸後は熱帯低気圧となりましたが、速度が遅く、移動しながら大量の雨を降らせており、31日現在も州境付近にまで及ぶ広範囲で被害をもたらしています。
そのため、各地で観光への影響がでていますので、日本人がよく訪れる観光地を中心に、これまでのところ判っている範囲で被害状況などをまとめてみました。
最も被害の大きかったのは、ハミルトン島を含むウィットサンデー地区
<4月3日アップデート>
ハミルトン島の各リゾートホテルは、4月8日までの予約はキャンセル扱いとなり、9日以降も影響を受ける可能性があります。また、地元メディアの報道によると、来週には一部再開予定ですが、島内最高級リゾートして知られる「クオリア」については、修復工事のため、2ヶ月閉鎖。島全体のリカバリーには5ヶ月程度を要する見込みとも……。
また、同地区のヘイマン島については、被害状況の把握だけでも数週間を要する見込みで、再開までには、最大で2年はかかりそうだとの見方を管理運営会社が発表しました。詳細は以下の記事で。
▼Cyclone Debbie: tourism sector may take years to recover
今回のサイクロン上陸地点は、ボーウェンとエアリービーチの間。
グレートバリアリーフ観光の中心地ともいえるウィットサンデー地区に当たります。
ウィットサンデー地区には、たくさんのリゾートがあり、本土側のエアリービーチのほか、アイランド・リゾートとして人気のハミルトン島やデイドリーム島も含まれます。
今回のサイクロンは、非常にゆっくりとしたスピードで進んだため、上陸前から数日間に渡って影響がでてしまいました。
中でも日本人旅行者も多く訪れるハミルトン島は、まさにサイクロンの通り道となってしまい、最大瞬間風速が260km/時(秒速73メートル)を超え、強風でホテルのガラスが割れたり、建物の屋根が飛ばされるなどの被害がでました。
Australian cyclones spin the wrong way, but still pack a devastating punch. Gusts 160+ mph at Hamilton Island! #CycloneDebbie @Morecast_Au pic.twitter.com/WdM6w9luxn
— Morecast USA (@Morecast_USA) 2017年3月28日
Major damage to Hamilton Island from #TCDebbie. Lots of damage to other Whitsunday Islands too. #TCDebbie #bigwet @abcnews pic.twitter.com/pRKyzr9oES
— Jonathan Hair (@JonathanHair) 2017年3月30日
また、島へのフライトもすべてキャンセルとなったため、大勢の宿泊客が足止めされ、一部混乱も…。昨日30日には、フライトは再開され、ハミルトン島発着便は今のところ運行されているようですが、運行時刻の変更や減便になったりしているようですので、ご利用航空会社に必ず確認を。
また、ハミルトン島の各リゾートホテルの状況ですが、建物の一部等に被害がでていることから、被災状況を把握するための調査の必要もあり、4月2日までの予約はキャンセル扱いとなるようです。この日までの予約をしている場合は、予約先の旅行会社やハミルトン島予約係へ申し出て、別の日程へ変更が必要です。
4月3日以降の予約についても、まだ若干の影響が出ることが予想されています。とくに日付が近い方は、必ずハミルトン島または予約先の旅行会社へ確認してください。
ハミルトン島では、今後の状況について、常時、公式サイトやSNSでアップデートしていますので、これから旅行される方、旅行を考えている方は確認することをおすすめします。公式ツイッター(英語)のほうが情報が早いですが、公式サイトでは日本語でも情報を発信しています。
▼ハミルトン島公式サイト(日本語)
▼ハミルトン島公式ツイッター
尚、ウィットサンデー地区では、水道水の汚染が懸念されることから、水道水を直に飲まないようにとの警告がでています。水道水を飲む際は、必ず沸騰させてから飲用してください。
熱帯低気圧となった後も豪雨!ゴールドコーストでも洪水発生中
<4月3日アップデート>
ゴールドコースト及びブリスベンからの日帰りツアーで人気の以下の国立公園が、現在も引き続き閉鎖中です。
‐ ラミントン国立公園
‐ スプリングブルック国立公園(土ボタル・ツアー)
その他、タンボリン・マウンテンの複数のウォーキングコースが閉鎖されています。
オーストラリア大陸へ上陸し、熱帯低気圧になった後も、移動しながら大量の雨を降らせているサイクロン・デビー。ゆっくりとした速度で進んでいるため、被害が大きくなっています。
ブリスベンやゴールドコースト周辺、さらには、ニューサウスウェールズ州北部でも洪水が発生し、一部のエリアでは避難指示がでています。
日本人旅行者の多いゴールドコーストでは、ネラング川をはじめとする河川の水位が増し、北部エリアで避難勧告がでたり、道路や橋が崩壊したところも…。以下の動画は昨日30日の様子。
とはいえ、サーファーズパラダイスをはじめとする主な観光の中心地は、今のところ大きな影響はないようです。
しかしながら、天候は回復しても河川の増水はしばらく続くことが予想され、また、既に各所で道路が冠水したりしていることから、現地発着ツアーや移動などに影響がでそうですので、お出かけの際には予め最新の状況を確認することをおすすめします。
【参考】3月31日付けの地元ニュース記事:
▼Severe weather: Gold Coast smashed by ex-tropical cyclone Debbie’s ‘sting in the tail’
▼Evacuations on the Gold Coast: Its ‘not over yet’
※その他のエリアについても、ウィットサンデー地区はもちろん、クイーンズランド州南東部からニューサウスウェールズ州北部にかけて、さまざまな影響が予想されますので、これからこのエリアへ訪問予定の方は、最新の情報を入手してからお出かけください。
注意)記載の情報/データは2017年4月3日時点のものです。初稿:2017年3月31日
人工物よりも自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報を発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。
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