奇跡の瞬間!? 野性のイルカが会いにやってくる岬 モンキー・マイア
毎朝、野性のイルカが人間に会いにやってくる。そんな岬があります。
1964年のある日、1人の女性と1頭のバンドウイルカとの出会いから始まった人間と野生イルカのコミュニケーション。
その交流は、半世紀以上の歳月を経ても変わらずに、今も続いています。
世界遺産に囲まれた自然豊かな岬「モンキー・マイア」
その場所は、西オーストラリア州北部の小さな岬「モンキー・マイア」。州都パースから北へ約850km、世界遺産にもなっているシャーク湾の中心とも言える大自然豊かなエリアです。
湾に突き出た岬の先端部分に位置するモンキーマイアは、遠浅で透き通った水を湛えた美しい海に面した小さな町。町といってもキャンプ場を兼ねた宿が一軒あるだけ(※)。
周囲は、世界遺産に指定された国立公園の大自然が広がっています。そんな、手つかずの自然がそのままに残る場所だからこそ、野生の海洋生物も人間を恐れずにやってくるのかもしれません。
※一軒の宿については、また後日ご紹介する予定です。
ほぼ毎朝現れるイルカたち
やってきたイルカには、一応、コミュニケーションの一環として餌を与えているのですが…
とても彼らのお腹がいっぱいになるような量ではないため、それを目当てにやって来るとは思えません。
それでも、1982年に本格的なリサーチを開始してから、イルカが1頭も来なかったのは、サイクロン(台風)による悪天候の日など、ほんの数日だけだとか。
イルカのほうから近づいてくる!
私が訪れた時にも、(ちょっとヒヤヒヤしましたが…)イルカたちはちゃんとやって来てくれました。
海の彼方から、一目散に私たちが待つビーチを目指してやってきたイルカたち。
大人の膝下くらいまで水に浸かる程度の浅瀬で、ずらりと並ぶ人間を恐れる様子もなく、向こうからどんどん近寄ってきます。
足が海水に浸かった状態で待っていた私たちの足元すれすれまでやってきて、キリキリと甲高い音を立て、何か話しているかのよう。
そして、まるで「遊ぼうよ!」とでも言っているかのように、水から半分だけ顔を出したり、前ヒレを動かしながら手招きしているような仕草を見せ、私たちの前をゆっくり泳いでいくのです。
それは、とても不思議な光景。まるで夢でも見ているような感じで、しばらく呆然と見とれてしまうほどでした。
現在やってくるイルカたちは、皆、家族で、最初にご紹介した1964年に最初にやってきたイルカの子孫なのだそうです。
半世紀以上を経ても変わらないイルカと人間の素敵な関係。
そんな、奇跡のような光景を目撃するために、モンキー・マイアへ出かけてみませんか?
モンキー・マイアへはパースから飛行機でモンキー・マイア空港まで約2時間。パースやカルバリーから現地発着ツアーもあります。車だと約11時間はかかりますので、途中で1泊しないと厳しいです…
パース発のおすすめツアーはこちら。モンキー・マイアでイルカとふれあった後、貝殻でできた珍しいビーチ「シェル・ビーチ」へも立ち寄ります。⇒ パース発:セスナで行く! モンキーマイア&シェルビーチ1日ツアー
人工物よりも自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報を発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。
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