日本人逮捕者続出!オーストラリアの出入国時の荷物検査が厳格化。日本帰国時も要注意
日本人旅行者による爬虫類の密輸未遂が相次ぎ、昨年11月から4月までに4人の日本人がオーストラリア出国間際に逮捕されました。
日本人に限らず、主にアジア系旅行者による違反が相次いでいるため、これまでも厳しかった入国および出国時の荷物検査が厳しくなっています。
これに伴い、今年に入って行われた移民法改正により、違反者へはこれまで以上に厳格な対処がなされることに…。こうした現状をちょうど時を同じくして厳格化された日本帰国時の持ち込み物品規制に関する情報と合わせてお伝えします。
27歳の女性も!5ヶ月の間に4人の日本人が逮捕
パース空港で日本人男性が追加検査を受けた際に違反が見つかり、後に逮捕された Source: The Australian Border Force Image Library
オーストラリアはユニークな動物相で知られ、日本国内でも高額で取引される人気の爬虫類が多く、これらを密かに持ち出そうとして逮捕される日本人が、これまでも少なからずいました。ですが、ここのところ立て続けに逮捕者が出、4月に逮捕されたのは27歳の女性だったことから、国際的な密輸組織の存在が疑われています。
■2019年4月:トカゲ19匹持ち出しを試みた日本人の女、メルボルンの空港で逮捕
■2019年2月:日本人がオーストラリアで逮捕!マツカサトカゲ密輸の疑い
■2018年11月:トカゲ密輸の疑い 豪州で邦人逮捕 餌も水も与えず・・・
4月に逮捕された日本人女性に関しては、豪国内のニュース番組で名前と顔を報道され、大きく問題視されました。
逮捕された場合、拘置所に留め置かれ、罪が確定するまでの数ヶ月間に渡る法廷に出廷することになり、最高10年の禁固刑か21万豪ドル(約1,650万円)の罰金、もしくは両方の刑が科されることもあります。
この前ツイートしたオーストラリア固有種の爬虫類を持ち出そうとして逮捕された日本人女性(https://t.co/b84nISLTDg)。全国ニュースでこんな風に名前だけでなく顔やFBやら晒されて、10年の禁固刑か21万豪ドル(約1千650万円)の罰金だそう。あまりに馬鹿で話にならん。😤 https://t.co/HAv08XE2eK
— Miki Hirano (@mikihirano) April 27, 2019
相次ぐ逮捕者で、警戒レベルを引き上げ
違反が見つかった日本人男性がパース空港で逮捕された瞬間の様子 Source: The Australian Border Force Image Library
このように逮捕者が相次ぐと、国境警備は警戒レベルを引き上げます。そして、あろうことか日本人が立て続けに逮捕されたとなれば、日本人(日本パスポート保持)というだけで警戒されてしまうのも致し方のないことかもしれません。
また、入国の際に持ち込みが禁止されているもの(主に食品関係)を持ち込もうとして没収されたり、注意を受けたりする日本人も未だ多いため、入国時および出国時に念入りに検査されることも想定されます。
持ち込み禁止物品を所持していた場合、入国拒否やビザのはく奪も
スキャンだけで怪しいものが見つかるケースも多い Source: The Australian Border Force Image Library
オーストラリアへの入国に際しては、これまでも食品類などの持ち込みに細かい規制がありましたが、今年行われた移民法の改正に伴い、入国時に持ち込み禁止物品を所持していた場合、最悪のケースでは、入国拒否もありえることに!
【参考】オーストラリアへの食品類の持ち込みなど、検疫に関する情報
これまでは、持ち込み禁止物品が見つかったとしても、物品の押収や注意で済んでいましたが、今後は、入国管理係官の判断で、ビザのキャンセル(はく奪)ができるようになりました。
これは、近年、禁止されているものを持ち込もうとして、没収や注意だけでは看過できない深刻なケースが相次いだためで、ビザをキャンセルされた場合は入国できず、日本へ帰国せざるをえない事態も想定されます。
また、留学ビザなどの場合でも、キャンセルされた場合は、新たなビザは発行されませんので、持ち込み禁止物品に関しては、これまで以上に注意が必要です。
◎ 持ち込み禁止物品については、以下のオーストラリア大使館の「検疫」情報ページで確認できます。
▼オーストラリアへの持込に関し注意して頂きたいこと(在日オーストラリア大使館)
▼移民法の改正に伴う入国時荷物検査の厳格化(在メルボルン日本国総領事館)
日本帰国時も要注意!「肉製品」に関する持ち込み厳格化
ほとんどの日本人旅行者が知らずに帰国しているようですが、日本も食品や植物などに関して、持ち込み規制・禁止があります。
今年4月22日からは、これまで以上に「肉製品」に関する持ち込みが厳しくなりました。
これは、おそらく、岐阜県内をはじめとする各所で確認された「豚コレラ」発生に伴う処置と思われますが、実は、これまでも規制されていたのに、ほとんどの人が知らなかっただけともいえそうです。
今回の厳格化に伴い、輸入検査を受けずに畜産物を持ち込もうとするなど、違法な肉製品持込みが発覚した場合は、3年以下の懲役刑または100万円以下の罰金が科せられます。
オーストラリアのお土産品として販売されているジャーキーなどの肉製品に関しては、日本向けに検査証明書を添付しているものがありますので、そちらを購入することをおすすめします。
日本への持ち込みに関する詳細は、以下のページで。
▼肉製品などのおみやげについて(日本への持ち込み):2019年4月22日から海外からの肉製品の違法な持込みに対する対応を厳格化します。
注意)記載の情報/データは、2019年5月時点のものです。
人工物よりも自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報を発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。
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