【オーストラリアの世界遺産】オーストラリアのゴンドワナ多雨林
南北に約800km、なんと約37万ヘクタール=3,700,000,000平方メートルにも及ぶ、広大な世界遺産、それが「オーストラリアのゴンドワナ多雨林」です。
日本ではあまり耳にしない世界遺産かもしれませんが、実はゴールドコーストからの日帰りツアーなどでよく訪れるエリアでもあります。
そんな、知られざる世界遺産「オーストラリアのゴンドワナ多雨林」をご紹介!
世界最大規模の雨林
オーストラリアのゴンドワナ多雨林は、北はゴールドコーストあたりから、南はシドニーの北200km程度のところまで、クイーンズランド州とニューサウスウェールズ州の2つの州をまたいで、登録された世界遺産です。
亜熱帯~冷温帯性の雨林としては世界最大規模であり、世界遺産に指定された国立公園や保護区は、2013年現在、ニューサウスウェールズ州で21、クイーンズランド州で20と、合計41ヶ所にも及びます。※全地区の詳細は下にあります。
■登録年: 1986年、1994年に拡大登録
■登録カテゴリー:自然遺産(viii)(ix)(x) ※登録基準についてはこちらを参照
注)ユネスコの公式サイトでは「ゴンドワナ雨林」と記載されていますが、「ゴンドワナ多雨林」のほうが一般的に知られているため、この記事では後者を採用しています。
地球の記憶をとどめる、太古の森
ゴンドワナ雨林の森は、最も古いところで10億年以上(場所によっては13億年とも!)前とされ、大陸が分裂する以前のものと推定されています。ゴンドワナ多雨林のほとんどのエリアは、少なくとも、ロディニア大陸からゴンドワナ大陸が分裂した頃にできた約6億年前の森であるため、この名称がつけられました。
南極ブナや世界最古級のシダ類などが生い茂る、植生豊かな森には、様々な生き物たちが生息しています。大陸が分裂し、現在の形となる以前の超大陸『ゴンドワナ大陸』の名残を手軽に見られるのもオーストラリアならでは。国立公園や保護区など、世界遺産に指定されたエリアには、ウォーキングトレックが整備され、誰でも自分の足で歩いて、太古の森を肌で感じることができます。
世界最古の大陸オーストラリア、ゴンドワナ大陸から引継いだ生態系については、こちらの特集記事で詳しくご紹介しています。⇒ 特集:世界最多の固有種1,300種以上!オーストラリアに見る 生物多様性
ニューサウスウェールズ州の世界遺産指定保護区
- ボーダーレンジス国立公園
- リンピンウッド自然保護区
- ヌミンバ自然保護区
- マウント・ノトファグス植物保護区
- マウント・ウォーニング国立公園
- ナイトキャップ国立公園
- ウォッシュプール国立公園
- ジブラルタル・レンジャー国立公園
- イルカ自然保護区
- ニューイングランド国立公園
- ドリゴ国立公園
- マウント・ハイランド自然保護区
- ウェリキンベ国立公園
- マウント・シービュー自然保護区
- ウィリウィリ国立公園
- バーリントントップス国立公園
- ウィルソンズ・ピーク植物保護区
- マウント・クルーニー植物保護区
- アマルー植物保護区
- フェンウィックス・スクラブ植物保護区
- ケリピット・ビーチ植物保護区
クイーンズランド州の世界遺産指定保護区
- スプリングブルック国立公園
- ラミントン国立公園
- マウント・チンヒー国立公園
- マウント・バーニー国立公園
- メイン・レンジ国立公園
- マウント・ミステイク国立公園
- タートル・ロック環境公園
- テレモン環境公園
- グーンブラ州有林
- スパイサーギャップ州有林
- ギルバート州有林
- エミューベール州有林
- ガンブバル州有林
- テビオット州有林
- キラーニー州有林
- バーネット・クリーク州有林
- クロナン・クリーク州有林
- ペーレン・クリーク州有林
- ラビットボード草原保護区
- クイーンズランドの刑務所用地
【あわせて読みたい】
▼ 1億年前の森へ ~世界遺産の森を歩く
-旅行情報サイト「リスヴェル」で連載中のコラムにて、ニューイングランド国立公園を紹介
▼オーストラリア10セントコインに描かれた鳥 ライヤーバード 和名:コトドリ
-ニューイングランド国立公園で撮影したオーストラリア固有種ライヤーバードの紹介
注意)記載の情報/データは2013年8月時点のものです。
人工物よりも自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報を発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。
★執筆依頼、取材代行、メディア・コーディネート等、承ります。こちらまでお気軽にお問い合わせください。