ケアンズから一足伸ばして、夢のように美しい鳥たちの楽園へ ヘイスティーズ・スワンプ編
ケアンズからほんの少し足を伸ばして、夢のように美しい湿原でバードウォッチングはいかが?
トロピカルな町からわずか1時間半で、太古の火山噴火が生んだ豊かな自然あふれるテーブルランドと呼ばれる高原地帯へ!
雄大なバロン川へと注ぐ清らかな川が流れ、クレーター湖や川を堰き止めたラグーン、沼の周囲に広がる湿原には、たくさんの野鳥たちが集い、楽園のように幻想的です。
そんな美しい湿原を2回に渡ってご紹介しているシリーズ第二回、国立公園にも指定されている「ヘイスティーズ・スワンプ編」です。前回の「マリーバ・ウェットランド編」もあわせてどうぞ♪
知られざるアボリジニの秘境
ケアンズに住んでいる人でも知ってる人/訪れたことのある人は少ないという「ヘイスティーズ・スワンプ」。テーブルランドの中心となる町、アサートンから車でわずか10分程度のところにあります。
ヘイスティーズ・スワンプは、雨季の後にできる大きなスワンプ=沼地で、多種多様な植物と生き物たちが生息する貴重な場所として国立公園に指定されています。
ですが、その面積はわずか0.57平方キロメートル(約140エーカー)。こんな狭いエリアを国立公園にして保護するということは、それだけこのエリアの生態系が貴重である証でもあります。
そう、この場所は、太古の昔からテーブルランドに暮らしてきたアボリジニたちにとって重要な水がめであり、様々な食物の宝庫だったのです。
オーストラリアオオヅルの一大休息地
このスワンプに集まる野鳥の数は群を抜いて多く、その数なんと220種以上!中でも遠くインドとの間で渡りをするサルース・クレイン Sarus crane(オーストラリアオオヅル)の一大休息地として保護されており、地元では、知る人ぞ知るバードウォッチング・スポットとして知られています。
乾季には、数千羽ものサルース・クレインが飛来し、赤い首を長く伸ばしてダンスをする姿をみることができます。その他にも、ブロルガ Brolga(ゴウシュウヅル)やコットン・ピグミー・グース Cotton Pygmy-goose(ナンキンオシ)、オーストラリアの固有種であるブラックスワン Black Swan(黒鳥)など、珍しい水鳥がたくさん!
★ヘイスティーズ・スワンプで見られる鳥の一覧 by BirdLife Northern Queensland
静かなスワンプを見渡す鳥見小屋でバードウォッチング
スワンプを一望できる場所に、2階建ての鳥見小屋が設置されています。普段は訪れる人も少なく、驚くほど静か。お弁当をもって出掛け、湿原と緑の森に集う鳥たちを眺めながら、日がな一日バードウォッチングに興じるのもオツなものです。
また、ヘイスティーズ・スワンプの周辺の森は、ツリーカンガルー(キノボリカンガルー)の生息地でもあります。途中の道路には、「この先、ツリーカンガルーに注意」のサインが立てられています。鳥を思う存分見た後は、キノボリカンガルー探しもおすすめ!
魅力いっぱいのオーストラリア・クイーンズランド州のテーブルランド地区。次の休暇は、美しい鳥たちの楽園を訪れてみませんか?
ヘイスティーズ・スワンプへの行き方
ケアンズから車で約1時間半。テーブルランドの町アサートン Athertonへ。アサートンの町の中心から52号線で南へ約4キロ、または、ケネディハイウェイからヘイスティーズロードへ入り、どちらも約10分程度。アサートンまでは、キュランダ方面を経由しても、A1を南へ下る南周りでも、どちらでも約1時間半弱です。
<DATA>
■ヘイスティーズ・スワンプ国立公園 Hasties Swamp National Park
off Atherton-Herberton Road, Atherton, QLD
入場: 無料
※舗装されたメインの道路から少しだけ未舗装路を通りますので、雨季はぬかるんだり、一部水没する可能性もあります。未舗装路を走行する前に確認を。
注意)記載の情報/データは2014年6月時点のものです。
人工物よりも自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報を発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。
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