人類の大きな一歩を担った「月のひつじ」と「エルビス・プレスリー」の町、パークス
ニューサウスウェールズ州のパークスは、シドニーの西約350kmのところにある人口約12,000人の小さな町。
今では「エルビス・フェスティバル」の町として有名ですが、それ以前にも、世界に名を残す偉業を成し遂げた町でもあります。
それは、「人類の大きな一歩」と関係が!?
パークスとは?
ニューサウスウェールズ州の中央付近に位置するパークス。1873年にこの場所を訪れた英国人ヘンリー・パークス氏によって町が造られました。
現在の人口は約11,250人(2016年調べ)。「人間より羊の方が多い」と言われる、のどかな田舎町です。
毎年1月に開催されるお祭り「パークス・エルビス・フェスティバル」は、オーストラリア国内ではとても有名なお祭りのひとつで、世界各地からエルビス・プレスリーのファンが訪れます。
※お祭りの様子は、2回に渡って紹介した記事 Part1, Part2 でどうぞ♪
また、実は、ある世界的な偉業を成し遂げた町でもあるのです!
その知られざる偉業とは・・・
パークスのシンボル「ザ・デッシュ」
パークス郊外の羊がのんびりと草を食むだけのなんにもない平らな大地には、「デッシュ」の愛称で知られる大きなパラボラ・アンテナがポツンとあります。
このパラボラ・アンテナ「デッシュ」は、エルビス・フェスティバルと共に、パークスの2大シンボル。
このパークスのパラボラ・アンテナが、月に降り立ったアポロ11号からのシグナルをキャッチし、中継基地として活躍。そこから配信された映像が世界へ流れました。
なんと、人間よりも羊の数のほうが多いと言われる内陸部の田舎町は、「アポロ11号の月面着陸の瞬間を世界のお茶の間に届けた」町だったのです!
オーストラリア内陸部の田舎町が、人類の歴史的な1ページの一翼を担った意外な事実は、日本ではあまり知られていないかもしませんが、パークスにこのような大役が回ってくることになった経緯は、映画にもなったほど。
当時の実話を映画化した「月のひつじ」
パークスが「人類の大きな一歩」の一翼を担うという大役を果たすまでの、当時の実話をもとに作られたのが、映画「月のひつじ(原題:ザ・デッシュ)」です。
サム・ニール主演のこの映画の中では、田舎町パークスの人々に託された大事業に困惑する姿など、当時の様子が生き生きと描かれています。
<映画紹介文から>
あの月面着陸は田舎町(羊の町)から発信された。 アポロ11号による人類初の月面着陸を影で支えた人たちの感動の実話!
当時に比べたら、ちょっとは都会的になったパークスですが、今でも普段は、のんびりとした田舎町の良さが漂っています。
昔のままの雰囲気が残るフォーブス
パークスが舞台となっている映画「月のひつじ」ですが、実は、映画を撮影しようとした時には、既に(アポロ11号の)当時の様子とはずいぶん様変わりしていたとか…
そこで、ロケ地として候補に挙がったのが、パークスよりもさらに小さい隣町フォーブス。結局、監督をはじめ、撮影陣がフォーブスのこじんまりとした田舎の雰囲気に惚れ込み、ほとんどの撮影がフォーブスで行われたそうです。
町は、今もほとんど当時のままの姿をとどめています。
のどかな田舎の雰囲気満点で、リアルなオージー・カントリーライフが体験できるかわいい田舎町フォーブス。
パークスへ行く際は、ぜひ足を延ばしてみてください!
注意)記載の情報/データは2018年1月20日時点のものです。
人工物よりも自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報を発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。
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