カンガルー島は元気です!Part 1 ~森林火災で島の半分近くが焼失した島の現状
「野生動物の楽園」として知られる南オーストラリア州のカンガルー島。私・平野も2001年に初めて記事を寄稿してから、様々なメディアでご紹介してきました。
近年では、海外メディアから「オーストラリアのガラパゴス」の異名をとるほど、数多くの貴重な固有生物の生息地として知られるようになり、野生動物と美しい自然を目当てに大勢の観光客が訪れる島となっていました。
しかし、2020年1月3日、2019年から今年にかけてオーストラリア各地で発生していた森林火災は、この島にも襲い掛かります。
被災から1ヶ月も経たない1月下旬、カンガルー島へ入るチャンスに恵まれ、現地を視察してきましたので、現地の最新状況をご報告。そして、Part 2 では、火災の発生原因を含む、実際の被害の状況と全国のコアラ・ファンが一番心配しているカンガルー島のコアラの現状と今後についてお伝えします!
カンガルー島の現在
結論から言うと、被害が少ないとは言えない状況ですが、カンガルー島はシンガポールの約6倍という(おそらく皆さんが想像している以上に)大きな島ですので、主な観光拠点となる町はほとんどまったくといっていいほど被害を受けていませんでした。
森林火災報道が熱を帯び、被害ばかりが過剰に伝えられる中、観光客が激減してしまった島の人々は困惑している…というのが現状です。
主な観光拠点となる町は通常通りオープン
上で説明したように、島は想像以上に大きく、被災したのは西側の国立公園を中心としたエリアで、火災を免れた東側はまったく言っていいほど被害を受けていません。ただ、焼失した西側は広大な森林地帯で、コアラをはじめとする野生動物の棲み処でもあったため、動物たちへの被害は深刻…。これについては、Part 2でご報告します。
カンガルー島の観光拠点となる町は、すべて東側に位置しており、本土と島を結ぶフェリーも島の最東部の町ペネショーが発着地となっています。
ですので、ペネショー以外の観光拠点となるキングス・コートやアメリカン・リバーといった町も被害はなく、東部地区のほとんどすべてのホテルやレストラン、カフェ、ショップは、通常通り営業しています。
カンガルー島ワイルドライフ・パークは火の手がすぐそばまで迫り、一時は避難勧告も出されましたが、動物達を守るためにオーナーと数人のスタッフが残って難を逃れ、1月第4週目からは通常通りの営業に戻っています。
しかし、火災の報道があまりにも過熱しすぎて、島全体が燃えているかのような印象を与えてしまったことにより、島への訪問客は激減…
カンガルー島へ行こう!お得なキャンペーンを実施中
風評被害ともいえるこの状況を抜け出そうと、現在、必死のイメージ回復作戦が始まっています!
その名も「BOOK THEM OUT!(予約しよう!)」キャンペーン。
カンガルー島旅行を計画して予約し、島を訪れて、被災した島民や動物たちや支援して欲しい!という、島の人々の願いが込められたこのキャンペーンでは、お得な宿泊パッケージや割引が盛りだくさん!
例えば・・・
本土から渡るフェリーは、片道大人1名たったの$15!
カンガルー島産ワインの10%割引や島内ツアーの料金が2人で1人分になったり、3泊すると1泊無料になるなど、様々なオファーを用意しています。
各施設が提供しているオファーの内容や特典を受ける条件は、以下のページで確認できます。
このキャンペーンをSNSなどで拡散してもらい、もっと大勢の人と知ってほしいと、ハッシュタグも用意されていますので、ぜひご活用ください!
#BookThemOut(島の旅を予約しよう!)
#BuyThemOut(島で買おう、食べよう!)
#HolidayHereThisYear(今年の休暇はここカンガルー島で!)
※このキャンペーンは、同様に被災した南オーストラリア州内の観光地アデレード・ヒルズ(ワイン産地として有名)でも展開中です。
#BookThemOutキャンペーン以外のカンガルー島のホテルやB&Bなどの宿泊施設、ツアーは以下から日本語で予約できます。
カンガルー島への行き方などの詳細は以下の記事でご紹介しています。2020年2月17日現在、記事内の「フリンダース・チェイス国立公園」「アドミラルズ・アーチ」「リマーカブル・ロック」は立ち入りできませんが、「シール・ベイ」やその他のビーチなど、他にも見どころはたくさんありますし、今後、再オープンするところも徐々に出てくると思います。
オーストラリアの森林火災被害を心配し、何か自分にできることはないか…という声をかけていただくこともありますが、寄付以外で支援できるのが、こうした被災地を訪れて、現地コミュニティにお金を落とすこと。大勢の人が訪問してくれて活気ある島に戻ることが、被災地にとっては大きな励みとなり、支援に繋がるのです!
ですので、ぜひ次回の休暇の旅先候補 No.1 に「カンガルー島」をリストアップしてください!
そして、お出かけの際は、島内の観光スポットの最新状況を以下の公式サイトでチェックしてからお出かけくださいね♪
Part 2 では、火災の発生原因を含む、実際の被害の状況とカンガルー島のコアラの現状と今後について、お伝えしています。こちらも合わせてお読みください!
注意)記載の情報/データは2020年2月17日時点のものです。
人工物よりも自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆、ラジオ/テレビ出演などで情報を発信しながら、メディア・コーディネーターや旅行情報サイトの運営も。目下の関心事は野生動物とエコ。シドニー在住20年以上。
★執筆依頼、取材代行、メディア・コーディネート等、承ります。こちらまでお気軽にお問い合わせください。